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「……天罰、なのかな」
「……ヘレナさん?」
そっと呟きを洩らすと、不思議そうに少し首を傾げて尋ねるヨハン。私は首を横に振り、何でもないよと伝える。
……いや、そんなわけないか。そもそも、私は何の罰も受けていない。被害者はあくまでアンナさんとヨハンであり、私は加害者でしかない。ヨハンを手に入れるため、理不尽に命を奪われた家族さえも利用する――そんな、身勝手で醜い加害者でしかないのだから。
……だけど、それでもいい。悪魔に魂を捧げることで魔力を得た醜き存在――それが、魔女なのでしょう?
柔らかな陽光が優しく射し込む白い部屋で、そっと目を瞑り瞼を閉じる。……うん、分かってるよ。きっと私は、地獄に堕ちる。今度こそ一縷の光も望めない、深い絶望の淵へと。それでもいい、それでもいいから……どうか、生命果てるまでは――
――貴方のそばに、いさせてください。
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