怪しげな薬屋

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怪しげな薬屋

「……えっと、これで足りるよね」  数日後の、ある昼下がりの頃。  穏やかな陽光照らす街の中、買い物袋の中身を確認する私。これで、今日の夕食の材料は足りるはず。卵と小麦粉はまだ残ってたはずだし。  うん、大丈夫かな――そう結論付け、再び顔を上げ街中を歩いていく。さっと辺りを見渡すと、緑豊かな樹々に透き通る川――そして、色とりどりに染まった茅葺き屋根の家が整然と並んでいる。ゆったり時が流れていくようなこの穏やかな街の中を、ただぼんやりと眺めながら歩くのがお気に入りの時間だったりする。すると、いつの間にやら辺りはすっかり暗くなっていて―― 「…………あれ?」  思わず、呆然と呟きが洩れる。……いや、流石におかしくない? さっきまでお昼過ぎだったはずなのに、こんなに急に暗くなるとかある? 困惑を抑えられないまま、改めて辺りを見渡すと――   「――あんなの、あったっけ……?」
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