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「まあ、正直に言うとそうだよ。みんな騒いでたじゃん。めちゃくちゃ可愛い子が入ってくる、ってさ」
「そうなんだよ。マジでやべぇぞ。沢口美玲ちゃんっていうんだけど、セミロングの黒髪で、清楚っていうのはこういう子のことを言うんだろうなって感じでさ。そんでもって、驚くことに巨乳なんだよ! あれはFカップはあるね。清楚プラス巨乳だぜ? もう無敵だろ!」
話しながら、どんどん声が大きくなっていった。
一人で勝手に興奮し始めてしまったようだ。
お目当ての子についての情報を労せず入手できたことはありがたいが、同時に、純也も相当意識しているということが伝わってきてしまった。
俺と純也では勝負にならない。
それは、よく純也もふざけて言ってくる。
「俺が負けてるのは名前だけだ。お前の神子上秀樹って名前はカッコよすぎるだろ」
……と、よくからかわれる。
純也が本気でその子を狙っているのか、軽く探りを入れてみる。
「なあ純也、その新入生について随分詳しいんだな。やっぱり、口説きにかかるのか」
すると、即答で「おう!」と返ってきた。
これにて、俺が夢を見る隙はなくなってしまった。
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