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あの日のことは、今でも時々思い出してしまう。
当然と言えば当然だ。
忘れられるわけがない。
これからも俺は、事あるごとにあの出来事を思い出しては、深い悲しみに襲われ、絶望し、それでも生きていかなければと自分を鼓舞する、というルーティンを繰り返していくのだろう。
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四月中旬の、よく晴れた昼下がり。
この日も、大学へ向かう途中にふと思い出してしまい、気持ちが沈む。
慌てて、楽しいことへと思考を飛ばす。
「(今月から、いよいよ俺も大学二年生になったんだ。つまり、後輩ができる。しかも今回は、うちのサークルにやたらと可愛い子が入ってくるっていう話だったよな。うん、今日の新歓コンパが楽しみだ!)」
いくらか気分が良くなってきた。
実際、今日の夕方から行われる新歓コンパは、昨日から心待ちにしていた。
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