いびつな両想い ~偶然の軌跡~

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 あの日のことは、今でも時々思い出してしまう。  当然と言えば当然だ。  忘れられるわけがない。  これからも俺は、事あるごとにあの出来事を思い出しては、深い悲しみに襲われ、絶望し、それでも生きていかなければと自分を鼓舞する、というルーティンを繰り返していくのだろう。 ******  四月中旬の、よく晴れた昼下がり。  この日も、大学へ向かう途中にふと思い出してしまい、気持ちが沈む。  慌てて、楽しいことへと思考を飛ばす。 「(今月から、いよいよ俺も大学二年生になったんだ。つまり、後輩ができる。しかも今回は、うちのサークルにやたらと可愛い子が入ってくるっていう話だったよな。うん、今日の新歓コンパが楽しみだ!)」  いくらか気分が良くなってきた。  実際、今日の夕方から行われる新歓コンパは、昨日から心待ちにしていた。
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