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それから
―*―*―*―*―
バターのような色をしたビル内の社長室に僕はいる。
「翔くん、新商品のバターが絶好調みたいだね」
机の上に置かれた四角い金属片になった僕が翔くんに声をかける。
「最高のアドバイザーがいるからね」と翔くんが笑う。
「僕ら、最高のコンビだね」
「その通り。バター君と私は最高で最強のコンビさ」
そこに社員の人が入ってきた。社員の人は翔くんに何かを報告した後、「社長、前から気になっていたんですけど、その机に置いてあるの何ですか?」と訊いた。
「これのことか。これはだね、親友の体内に入っていた機械の部品だよ。その親友の体がとけたあとに、意識がこれに移ったんだ」
「はあ。……社長、今日は絶好調ですね」
社員の人は翔くんが冗談を言っていると思ったようだ。
「絶好調さ。まあ、大切な宝物のような存在なのだよ」
翔くんが、こっちを見ながら嬉しそうに笑った。
僕は、なんだか嬉しすぎて夢の中にいるような気がする。
(了)
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