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僕は先ずゼニニをお母さんに紹介することにした。 「お母さん、生き物を考えてみたんだ」 「また、くだらない落書きをしたのね、勉強もしないで、いい加減にしたらどうなの?」 「いいから、見て欲しい、力作なんだ」 僕はスケッチブックを母親にむけて開いた。 「はぁ、なんて醜い化け物なんでしょう、何なのこの胴体、ゴキブリみたいじゃない」 「怒るよ、ゼニニはね、人間なんてきらいなんだ、失礼なことを言ったらね、頭からボリボリたべられるんだからね」 「あら、怖い、怒らないでね、ゼニニ」 お母さんは恐る恐るスケッチブックのゼニニを撫でた。 「お母さん! 僕はね! ゼニニで世界を滅ぼそうと思うんだ」 僕は唐突に閃いたことを口に出した。 「あらあら、怖いこと言うわね、冗談でもそんなこと言わないの、悪い魔法使いが拐いにくるわよ」 「冗談じゃないよ、本気なんだ、僕は人間が嫌いなんだよ」 「まぁ、そんな子に育てたおぼえはないわよ」 「僕は他のやつらとはちがうんだ」 「大抵、皆一緒よ、厨二病なのね」 「何言っても、むだだね! 僕は本気なんだから」 僕はスケッチブックをしまうと、出かける準備をした。 世界を滅ぼすには身近な物から制覇していくしかない。 「僕の本気をみせてやる」
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