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まず、僕がとりかかったのは、ゼニニの子分を作ることだった。
ペットである亀のポロ、三十センチ程度の大きさのミシシッピアカミミガメの攻略である。
「世界を滅ぼすには手下が大勢必要だ。頼んだよゼニニ」
ゼニニはガーギーと鳴くとスケッチブックからひょいと出てきて、亀のポロと向きあった。すると何やら胴体の羽を前に出しポロの両頰を叩き始めた。
どうやら、亀の求愛行動を見よう見まねでやっているようだ。
「ゼニニ! 違うよ! 仲良くするんじゃなくて、こう、なんていうかな……もうちょっと厳しく」
ゼニニはガーギーと言いながら考えているようだった。
考えた末なのかゼニニは求愛行動をやめてかわりに鋭いくちばしで亀の頭をツツキ始めた。
「なんだ! やればできるじゃないか!ポロに勝つんだぞゼニニ」
しかし二、三回突付いたところで、ポロは首を窄めて甲羅の中にしまってしまった。
甲羅をいくら突いても、ポロは頭を出さない。
「あー、もういいや、のろまな亀なんていらない、ゼニニ食べちゃえ!」
ゼニニはガーギーと鳴くとむくむく巨大化し、二メートル程の大きさになると、甲羅ごとポロを丸呑みにしてしまった。
「よくやった! ゼニニ! 次に行くよ!」
僕はゼニニが巨大化したことに調子に乗っていった。
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