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「翔弥さんの成績のことは聞かないんですか?」
終わったあと、神ノ木は百瀬を使って飲み物を持ってこさせた。
一応服を整えて普通通りにしていたが、百瀬はそんな俺をみて訝しげに首をかしげたが、神ノ木の手前、なにかを追及することはなく
アイスティーとミネラルウォーターを置いて出ていった。
ミネラルウォーターを手にしながら神ノ木が笑う。
「成果表見てるからね。とりあえずテストしてみなければわからないですし」
「……まあ、ですね」
「翔弥はあまりなにかの能力に突出しているわけではないでしょう?それに加えて対人関係がアレだ。正直、会社としては期待していない」
「え?……でも、翔弥さんは跡取りですよね?いいんですか、それで」
そう言ったら、神ノ木はじっとこちらを見つめてきた。ーーしまった。踏み込みすぎた質問だった。
「いや、申し訳ありません」
「いや?そう思うのが普通です。翔弥には、会社を継がせるのは無理でも、神ノ木家の人間としてせめてちゃんと社会に出してやりたくて」
そう話す神ノ木は、父親の顔をしていた。
「……そうなんですね。……素敵です」
「なんだ、意外ですか?」
「いえ。ただ、俺との契約にSEXを入れてくるような方ですから……」
「多良川から新見先生の話を聞いて、興味が湧いて。ついでに写真も見せてもらって、俺の好みだったんです」
「………しゃちょーー」
ガタッと椅子を引いたが、遅かった。
神ノ木は口にミネラルウォーターを含んだまま、俺を抱きしめ唇を重ねてくる。
「んん………っ」
ポタポタと口から流れ出る水。神ノ木は抵抗できない俺の身体をいやらしく触りながら、舌を絡ませ離すと、ゴクリと喉をならした。
「新見先生、キスはお嫌いですか?」
「………そう言えば、免除してくれます?」
「うーん、契約書には『キスNG』とは書いてませんから……。やっぱり、恋人に申し訳ない?」
恋人……
ーー芦屋……か。
恋人、といわれ何故か芦屋の顔が浮かぶ。
もう10年もセフレを続けている俺たちだけど、最近になって芦屋が『付き合おう』と口にしだした。
………今さら、どうやって?お互いの性癖も他の奴との情事も知ってるのに、今さらどうやって付き合うんだよ?
「………恋人はいません」
「ふうん。そういうことにしておこうか。その方が、俺も気兼ねなく先生を抱ける」
「……あ、ちょっ……社長、」
おいおい、まさか、また?
俺の腰に手を回してゆっくりとズボンのチャックを開いていく。
立ってられなくて、ガタッと椅子に座った。
「しゃ、社長!まさか、ここで?」
「舐めさせてよ、先生の。気持ちよくしてあげるから」
「………っ、でも、さっき出したから……汚い、ですよ」
「大丈夫。そそられる」
口から伸びた舌が、俺のあついところに触れる。さっき出したばっかりで多少敏感になったそこは、入り口を舐められると一気に興奮した。
「………ふ、」
「ほんとやらしいな、新見先生は。あなたと、契約してほんとうに良かった」
ーーそれは息子の家庭教師として?カウンセラーとして?それとも、好き勝手できる俺の身体のことを言っている?
口に含まれた俺自身をジュポジュポと音を立てながら、神ノ木はおいしそうにしてる。
あー、やべぇな。こんなにされたら、このあと芦屋と会っても勃たないかもしれない。
「社長、あの、俺……」
「ん?ーーしようか?2回目」
おいで、といってまたベッドに逆戻りする。
でも俺は、神ノ木の命令とその先の快楽に抵抗することはできなかった。
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