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第12話（BL特有シーン・回避可）
シドの口から指を抜き、ハイファは立ち上がると着衣を全て脱ぎ捨てた。
眩しいような白い躰をシドは切れ長の目に情欲を湛えて映す。毛布をそっと除けたハイファがシドのパジャマのボタンを外した。下衣を下着ごと押し下げ足を抜かせる。
ベッドに上がったハイファは膝立ちでシドの脚を跨いだ。
「約束して……貴方は動いちゃだめ。分かった？」
「ああ……うっ、く……はあっ！」
胸に負担をかけないよう撫でられ、引き締まった腹を愛撫されただけでシドは吐息を切なくし、高熱で敏感になった躰をわななかせる。
ハイファはシドの両手を取り、顔の横に縫い止めるようにして口づけた。
熱で乾燥しかけた唇をついばみ半ば開いた歯列から舌を差し入れる。迎えた舌が応えて唾液をねだった。欲しがるだけ何度も与えてから舌を絡ませ、軽く吸い上げる。
「んんっ……ん、ううん……ハイファ」
「愛してる、シド。こんな怪我して」
唇をずらして顎先から喉、首筋へとキスを落とし鎖骨へのラインに舌を這わせた。
「すまん……んっ、あっ、あ――」
くっきりと浮いた鎖骨の下を吸い上げ、象牙色の肌に幾つも赤い印を穿つ。
「動いちゃ……だめだよ……んっ」
「くっ、無理だ……何か、メチャメチャ感じちまう」
組み敷いた逞しい躰がいつになく悶えるのを目の当たりにして、ハイファも吐息が浅く速くなるのを抑えられない。端正な顔を覗き込むとシドは黒い目に切羽詰まったような色を狂おしいまでに浮かべていた。
堪らない男の色気を発散している仰け反った喉を甘噛みし、存分に舐めねぶってから上体を起こす。シドの手を解放し熱い躰の中心に触れた。
シドがビクンと全身で反応するのが酷く愛しい。勃ち上がり張り詰めきったものを握って扱くと蜜が溢れ出してハイファの手を濡らした。先端に口をつける。
「う、あ……ハイファ、くっ！」
更にシドを追い詰めるのを知りつつ、わざと音を立てながら零れ出した蜜を舐め啜った。先端に尖らせた舌を優しく差し込み濃厚に舌を這わせてから深々と咥え込む。
「くっ……っあ、ん……ハイファ、ああっ！」
「んっ、ン……んんぅ！」
苦しいくらいにシドのものを口いっぱいに頬張り、ハイファ自身もいつしか喉の奥で喘ぎを洩らしている。愛し人に求められる悦びで思考が白熱していた。
夢中で締め付けた唇を上下させる。シドは僅かに背を反らし、腰を突き動かしそうなのを必死で堪えてくれているようだ。
端正な顔を歪めて堪える表情は切なくも淫らな上に、いつにも増して洩らす喘ぎが甘くハイファの胸を愛しさで焦がす。
「ハイファ……んっ、だめだ、ハイファ！」
「んんっ……んっ、ん――」
口に収まりきらないかと思うほどシドが変化した。舌を巻きつけ、喉を突かんばかりにしてねぶり上げる。唇が痺れるくらいに硬いものを擦り続けた。
「ああっ、いく、いっちまう……ハイファ、あうっ！」
自分の声とはにわかに信じがたいような喘ぎを洩らしながら、シドは眩暈のような快感の中に自身を解放していた。何度も躰を痙攣させてハイファの口内に欲望をぶちまけてしまう。
ハイファは喉を鳴らして全てを飲み込み更には扱いて溢れたものまで舐め取った。
「シド……まだこんなにしてる」
一度放ってなおシドは熱く太く硬く張り詰めさせたままだった。
「お前に入りたい……入れてくれるか？」
「……うん」
膝立ちでにじり寄ったハイファの細い腰をシドは片手で掴む。片手で成長しきったものを扱き、溢れた蜜を指に絡めて探った。硬く閉じた蕾に指を挿し込む。
「んっ……あっ、あっ……はぁんっ！」
「こら、あんまり動くな、傷つける」
「や、あん……無理、あっ……ああんっ！」
腰を掴んだ手に力を込めたが、揺れ動く細い躰は自身でもコントロールできないようだ。シドは構わず指を奥まで届かせる。極端に深爪した指先で擦り上げた。
ハイファがしなやかに背を反らせる。快感に瞑ることもできなくなった若草色の瞳が潤み、零れそうな涙がシドの嗜虐心を煽った。内襞を抉るように掻く。
「ああっ……あっ、ふ……あぅんっ！」
透明感のある白い肌が上気し、あっという間に桜色に染まった。喉を仰け反らせて喘ぐ全身から妖しいまでの色気が発散されている。息を呑むほどの美しさに征服欲を刺激されたシドは堪らなくなって性急にほぐす指を増やした。
数指を食い込ませて捩るように動かすとハイファはもう喘ぎも出せない様子で首を振り長い金髪を乱す。そんなハイファを見てはもう我慢できない。
早々に指を抜いたシドはハイファの腕を強く引いた。放り出すように細い躰をベッドに横にさせ、自分は起き上がって上衣の袖を抜きハイファの細い脚を押し広げる。
「だめ、シド……動かないって約束したじゃない！」
「もう治ったからいい……嫌なのか？」
訊きながらも既にシドはほぐしたばかりのそこに己のものを押し当てていた。ぬめりを塗り広げるように動かしハイファの目を見つめる。
「これでも嫌か？」
「そんな……貴方、怪我が！」
「もう我慢できねぇよ。入れるからな」
できるだけゆっくりとシドは熱い楔を突き入れ、細い躰に己の太いものが咥え込まれる様を堪能した。だが余裕はそこまで、指とは比べものにならない太さのものを受け入れて、きつく締め付ける内襞の感触に思考が白熱する。
急激な昂ぶりをやりすごし、シドはハイファにのしかかるようにして、激しく腰をスライドさせ始めていた。堕ちてきた女神のような裸身を汚してしまいたい思いでいっぱいだった。
「あっ、そんなにしたら……ああんっ、シド！」
「ハイファ、くっ……もう、止められねぇよ！」
繋がりが解けてしまう寸前まで腰を引き、充血した粘膜に思い切り突き入れる。深く貫いてはハイファと自身の理性を掻き回した。
「ハイファ……うっ、まだ、きつい――」
「んっ、あ、ああっ……すご、い……はぁんっ！」
激しく体内を突き上げられ擦り上げられて、ハイファは腰が蕩けるような快感に高い喘ぎを止められない。シドの背に爪を立てて気が遠くなりそうな攻めに耐えた。
充血した粘膜を太いものでいっぱいに満たされ、悦びに細い腰が勝手に悶えて前後する。それに合わせてシドもハイファの中を存分に掻き回した。
「くっ、ハイファ……すっげぇ気持ちいい――」
「ああんっ、そこ、いい……はぁんっ……シド！」
ベッドの軋みと絶え間ない喘ぎ、熱い吐息と粘膜の立てる淫らな音が重なり響く。
熱いシドと融け合ってしまうような錯覚さえ覚えた頃、これ以上はないと思われた快感がふいに大きなうねりでハイファを襲った。
「んっ、シド、もう……だめ」
「俺も、一緒に、いかせてくれ――」
シドはハイファに手を伸ばして握り込む。掻き混ぜこね回す腰の律動に合わせて強く扱いた。零れる蜜が糸を引いて手を濡らす。互いの変化を手と体内で感じ取った。
「シド、あっ……いく、いっちゃう……あうっ！」
「くうっ……ハイファ、うっ！」
ハイファの弾けさせたものを手の中に受け止めながら、シドは二度目とは思えないほど、たっぷりと細い躰の中に迸らせていた。
何も考えられない数秒ののち、シドはハイファの横に躰を投げ出す。
「シド……胸は痛まない？」
「そんなには」
「そっか」
と、シドの額に手を当てたハイファが目を見開いた。
「すごい、本当に熱、下がってるかも」
這うようにしてハイファはライティングチェストから体温計の試験紙を取り、有無を言わさずシドの口の中に突っ込んだ。出してみると殆ど平熱に戻っていた。
「だから俺にはお前が薬だって言ってるだろ」
「でも無理はしないでよね。約束も破っちゃうし、もう！」
「悪かった。寝る……眠い」
そのまま切れ長の黒い目は閉じられてしまう。自分も身動きの叶わないハイファは二人とも衣服を身に着けていないことに気付いたが、諦めて足許から毛布を引っ張り上げた。
ライトパネルをリモータで常夜灯モードにし、頭を落とそうとするとシドが無意識なのか、いつも通りに左腕の腕枕を差し出す。
何処かに消えていたタマがベッドの上に乗り、足許で丸くなるのを感じながらハイファもそっと目を瞑った。
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