第1話

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「しかし、まさかしかし! このような仕打ち受けるようになるなど、当事者ではありますが同情に悲しみを持ってしまいますわ!!」 「ああ、なんて哀れなんだコルニー! いくらピープルの血を引くとはいえ、実の娘にそのような事をなさるとは……。君のこれからを思うと僕も思わず身震いしてしまうよ!」  これまだ続くの? そんなに楽しいのかな? 楽しいんだろうな。  どうせ誰も内心喜んでるくらいなんだから、無駄に時間を使うのやめてよ。それとも私の時間を買い取ってくれるとでも言うのだろうか?  それでも、二人にとってはきっと今日が門出と言ってもいいのでしょう。  私も悲しい、生まれてこの方、この家で過ごしてきたのですから。なんの感慨も無いなど、どうして言えましょう。 「ああ、ええ……。二人のお気持ちもありがたく受け取らせて頂きますわ。さあ、このような事にお時間を取らせるわけには参りません。お帰りはあちら」 「そうかい? ま、君がそう言うのであれば元婚約者のよしみで最後の願いを聞いてあげようじゃないか、ははははははは!」 「それでは、わたくしも失礼とさせて頂きますわ。ほほほほほほ!」  私は精一杯のおもてなしとして、最後にある振る舞いをお見舞いして差し上げました。  それはお二人が扉の外へ出ようとした直後の事。 「フンッ!!」 「があ!」 「きゃああ!」  開いていた扉を思いっきり締めて差し上げた私は、扉の向こうから聞こえて来たお二人の悲鳴を聞いて、満足気に微笑みました。    がっはっは! ざまぁ! 「さて、それでは身支度を整えなくては。さらば我が生家」
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