第2話

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「所詮は、ピープルの混血の私。貴女や父はともかく、夫人にとっては赤の他人でしかないのよ。だからあまり、二人に詰め寄ってははいけないわ。お父様は特にショックを受けるでしょうね、貴女に嫌われたりなんかしたら」  そうです、着るものも食べるものも与えてもらえて、その上教育まで受けさせてもらった。何の恨みがありましょうか。  折り合い自体はもう、実はとっくにつけていた。なんとなく、そんな日が来るんじゃないかと思っていましたから。  むしろ、新しい生活に希望を持てるくらいです。 「さようならボルディ。ちゃんと両親の言う事を聞くのよ、今まで通りに。後、この際だから言っちゃうけど、戸棚に置いてあった貴女が自分に作ったマカロンとクッキーを食べたの私なの、ごめんなさい。つい、夜中にお腹がすいちゃって。あ、それと貴女のお気に入りのぬいぐるみを汚した事もあったわ、何とか洗濯しようとしてちょっと色が変わっちゃったけど、これもごめんなさい。それと……」 「も、もう結構ですお姉様。……お元気で」 「ええ、貴女も病気には気をつけて長生きしてね。きっとそのうち白馬の王子様が迎えに来てくれるわ」 「お姉様……流石にそこまで子供ではありませんわ」  これが私達姉妹の最後の会話だと思うと、思うところがあります。  しかし仕方がありません。  涙は払って、風の流れるまま風来の徒とでもなりましょう!  いや、やっぱそこまでの覚悟はないわ。  だけど最後は笑顔で。 「行ってきます……!」 「はい、行ってらっしゃい。お姉様……」  我ながらなんと美しい姉妹愛でしょうか。  この感動だけでも、きっと日々の糧となることでしょう。  私は笑みを浮かべ、ボルディは涙を笑顔に変えて。そして別れました。
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