第4話

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 そんなこんなで数日後。 「はーい二番テーブル様、ご注文の品をお届けに参りました!」 「はーい待たされました。お詫びにこの後のデートを注文致し、がっ!?」 「はーい当店ではそのようなサービスは行っておりませんので、とっとと食べて帰ってくださーい!」    やはり住み込みのバイトといったら客商売だろう。  飲食店なら、若い女の子もすぐに雇ってもらえる。  ここのマスターは女性という事もあって、快くオーケーが出た。    ここは王都の二番街にあるミルクホール。  学校が集まった地区という事もあってか、メイン層は学生だ。  だからか、偶にこんな猿の小僧も現れるわけで。  そういった場合は、マスターから好きにやり返していいと許可も貰っている。  どういうわけか、何度も来るんだよね。何か痛い目にあったら気が済むんだろうか?  でも、そんな生活にもすっかり慣れてしまった自分の順応性の高さにびっくり。私ってば意外とどこでもやっていけるんじゃないだろうか?さすがにそれは言い過ぎか。  でも確かなことは一つだけ、この生活結構悪くない。むしろいい。  お嬢様としての振る舞いも慣れていたというだけで自分でも気づかないうちに重荷になっていたのかもしれない。やっぱり街娘の娘だな私。  自分の場所を自分で開拓していく。これはやりがいだ。 「うん、今の私かっこいい!」 「独り言もほどほどにして、これ六番テーブルまでお願い」 「あ、はーい!」  そう、今の私はかっこいいウェイトレス。エレガントにウェイトするのだ。
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