第6話

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 は! いかんいかん、そんなことより私も行かないと。  周りを見ると、彼らに続けとばかりに後を追い駆ける参加者達。 「僕のデータによればこのタイプの魔物は……」 「おいそこどいてくれ!」 「ちょ、押すなって!」 「どけどけぇ!」 「邪魔だぁ!」 「ぎゃ!」  しかし、彼らは協調性というものを知らないようだ。  所詮は有象無象の集まりだしね、私もその一人だけど。  っていうかなんで固まって動いてんのよ?  ここは丘陵なんだからもっと散れっての。  それでも、討伐は進んでいくもので。  魔導院の人達を皮切りに、ぶつかり合う人と魔物。  魔物の種類ときたら意外に多種多様。  スライム型をはじめ、ゴブリン、コボルト、オーク。  あ、ドラゴンっぽいやつもいるんだ。あれは一体何だろう? リザードマン?   それらがヤクザみたいな魔導院の人達に狩られていく、もうどっちが悪者なのか分からないくらいの勢いで。  そもそも魔導士なのになんで白兵戦もしているんだろう彼らは?  私が知らない間に魔導士は前衛職になっていたんだろうか?  参加者の人達もさるもので、火炎瓶を大量に投げつける人もいれば、棘付きの鉄球を振る回している人もいる。  魔物達も数に物を言わせて攻めているけど、明らかに劣勢だ。  おっかしいなあ、一応ここに来るまで罠を越えてきた選ばれた魔物らしいのに。 「きゃ!」  その時、突然背後から悲鳴が上がった。  声の主は小柄な女の子。振り向いた時には既に魔物達に組み付かれていた。  まずい! このままじゃあの子食べられちゃう! 助けないと!   そう思って走り出した瞬間である、彼女は手に持ったナイフを魔物の脳天へと突き刺した。 「ギィヤァアアアアアアアアアアア!!!」  断末魔のような叫びを上げて倒れる魔物。  さらに、ナイフを杖代わりにしているのだろう、爆炎魔法を用いて魔物を内側から焼き尽くしていく。  つくづく変な奴しかいないなここには!  さっきのきゃ! は、一体何だったわけよ?  この状況についていけず、一人、ウェイトレス姿のまま立ち尽くす私を置いて、周りのみんなは次々と魔物を狩っていった。魔物達も敵わないと考えたのか撤退を始めている。  私、なんで参加させられたんだろうか?
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