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そう、いきなり現れた彼は、私の学園時代の同級生でクラスメイトだったミエラ・ゴトーダ君。
普段から大人しい性格な上、引っ込み思案。
でも、本当は優しくて気遣いができる、とてもいい人物なのだ。あんまり話し事無いけど。
そういえば、魔導院に入ってたんだった。
そんな彼が、勇み良く私を庇うように立つなんて。ちょっと感動。
「こ、ここここは危険です! ぼ、僕があああいつを引き受けますから、早く逃げてください!!」
「え、でもミエラ君は?」
「だ、だだ大丈夫です!! 僕だって、まま、魔導士ですッ! から」
そんな足と声を震わせながら言われても……。こっちが心配になるんだけども。
「……僕がやるんだ。僕がコルニーさんをッ、守るんだあああ!!!!」
杖を構えながら人工魔物に突進するミエラ君。
だからどうして魔導士が突っ込む必要があるのか?
それは分からないけど、今この瞬間の彼は確かに輝いていた。
だが……。
「がおー」
「わあああああ!!!!」
魔法を唱える間も無く、軽く蹴飛ばされていったミエラ君。
あれ? 彼だけ本気でやられてない?
何てことだ、彼は他の職員から何も聞かされていないのだろうか?
勢い良く飛んでいくミエラ君。
そりゃ彼は女子かと思うくらい小柄で、運動音痴で、マラソン大会でもビリを走っていた程体力も無いけど。
それでも、こんな扱いを受けていい男の子じゃない!
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