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その時ふと、騎士はちょんまげを結った少年が向こうを歩いているのを目撃した。
「娘よ。これ以上の言い争いは不毛。ポーションか薬草か、回復薬としてどちらが優れているのか第三者に委ねようではないか」
「賛同者が一人増えたところで私の意思は変わりませんけど、望むところですわ」
騎士は少年を呼び止めた。
「あーもし、そこ行く者よ」
足を止め振り向いた少年は、桃のマークが入った着物を着て黄色の袴を穿いていた。
「変わった出立ちをしておるが、刀を携えておるのを見るに貴君も冒険者のようであるな」
「はい」
「貴君も知っての通り、旅とは危険がつきもの。時には敵に襲われ傷を受けたりするだろう」
「そんな時、あなたなら回復手段として何を使いますの?」
娘の問い掛けに、少年は徐に道具袋からある物を取り出した。
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