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Dear Snow──
ねぇ、白く降りつもる雪さん。わたしに教えてほしい。
想いが届くって、どういうことだか分からないの。
気持ちが通じるって、まさかテレパシーでもあるまいし。
毎日、自分自身が居心地悪くて、どんどん自信を失っていく。
わたしのカレが、最近仲良くしている女の子。名前は琴吹さんって言うんだって。
わたしはその子に何か勝っているところがあるのかな。小柄で可愛くて、実家がかなりお金持ちらしいんだ。
だけどわたしはカレを諦めきれない。カレの気持ちや、カレの想いを求めてしまう。
ねぇ、白く降りつもる雪さん。
一体どうしたら、自分に自信が持てるようになるかな。
わたしには取り柄らしい取り柄がなくて、これなら人に勝てるってものもない。
頑張っても報われないことが多いし、いてもいなくても変わらない存在なんじゃないかと思うことも多い。
そこを越えれば先が見えるなんて人は言うけど、自分なりに頑張ったところで誇れるような成果は得られない。
夢はあるんだ。小学校の先生になりたい。まだ無垢な子供たちに、人生は素敵なんだよって教えてあげたい。
でも、わたし自身が迷子になってるの。人生が素敵だと思えなくて、自信に満ちた人が羨ましい。その自信はどうしたら持てるの。何をすれば獲得できるの。
ねぇ、白く降りつもる雪さん。
わたし、精いっぱい頑張ってるよ。なのにいつでも怖いの。自分が何もできない人間なんじゃないかって、生まれてきた理由さえないんじゃないかって、怖いんだよ⋯。
From 佐嶋加菜
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