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これほどワクワクする宿題はない。だって何を研究したっていいし、どんな答えを出すかは自由に決めて良い。一人でやってもいいけどみんなで協力してやってもいいし。自分一人用の自由研究と、みんなで一緒にやる自由研究、たくさんやったっていいんだ。一個しかやっちゃダメなんて言われてないからな。
「コウ、目がキラキラしてるな」
「一番好きだもんコレ」
とりあえずみんなで案を出し合った。別に教科書に載ってるようなかっこいいことをやらなくたっていい。自分がなんでだろうって思うことを調べてみればいいんだ。
「おっちゃんたちはどうしてハゲを隠してかつらをかぶりたがるのか」
アダっちの意外と真剣な声に全員大爆笑だった。でも言われてみればそうだ。
「はげるの嫌だからつるつるだったら問題ないって頭そっちゃった人もいるけどね」
「天才か」
「解決しちゃったじゃん。どうしてっていう理由調べる前に終わっちゃったじゃん」
全員で笑い転げながらとりあえずそれはやめた。それにハゲを気にしてる人になんでハゲが嫌なんですかなんて聞いてもかわいそうなだけだ。
「面白い雲見つける選手権」
「何それ?」
そういう遊びをやったことがないらしいタツマは不思議そうに聞いてくる。雲を見てすげえって言える雲を見つける遊びだよって言ったら、ふーんとあまり興味なさそうだ。
「動物に見えるの見つけたら一点。恐竜みたいなの十点」
「それ前もやったけどさ、アダっちが高得点連発だったじゃん」
「夏は風も強くて雲の形が変わりやすいから。ずっと見てると結構見つかるんだよ」
「これは他のと一緒にやっていこう。どうせ外走りまわるんだし」
前にやったんだけどアダッちが凄すぎて誰も敵わなかったから一旦やめた。あの時の点数はなしで0点から始めることにした。
「タツマの住んでる所ではどんな自由研究やってるんだよ?」
「覚えてないな、ネットで調べると結論まで全部そろってるやついくらでもあるし。それコピペしてるだけだから」
「自分の頭で考えてやってないの? 楽しいのそれ」
「楽しくないからやらないんだよ。めんどくさいだけじゃん、学校の成績が良くなるわけでもないし」
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