4

17/21
前へ
/69ページ
次へ
 モノを抜いた後も離れたくなくて、大沼を抱きしめて肩に頭を預ける。大沼が猫みてえに身体をすり寄せてくる。 「すごい気持ちよかったよ、樹」  ちゅっ、とほっぺたにキスされた。幸せすぎて、頭がほわほわしてる。エッチっていいな。こんなに気持ちいいもんだとは、想像以上だ。 「俺も、マジ最高だった」  少し放心気味に言う。大沼のぬくもり。息づかい。汗くささ、唾液や精液のにおい。ぼんやり感じる。余韻がすごくて、なんも考えられねえ。動きたくねえというか、動けない。 「少し寝ようか」  そう言うとごそごそと身体を下へとずらし、俺の胸に顔を埋める大沼。その甘えた仕草に、俺達恋人になったんだなって、うれしくて。 「最高の誕生日だよ、ありがとう」  うん、とうなずく自分の声が遠い。  俺、生きててよかった。大沼に出会えてよかった。大げさかも知れねえけど、心からそう思った。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

387人が本棚に入れています
本棚に追加