8人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
【×日目・大広間】プロローグ「世界に一つだけの指輪」
わたしの名前は瀬田ましろ、14歳の中学2年生。
突然だけど、みんなは演技に自信ある? わたしは幼稚園のころから、セリフの少ない村人役や、そもそも演技と無関係の裏方仕事をしてきたの。
つまりそういうこと。
じゃあ『悪役令嬢』や『異世界転生』って言葉は知ってる? 特に小説ではやってるみたいだよね。
わたしは読んだことがないけれど、スマホを触っていてもそういう広告が流れてくるから、なんとなく知ってる。クラスの友だちもそんな話をしていたから。
悪役令嬢が、物語の主人公に意地悪をする立場の女の子。異世界転生が、地球とは違う世界で別人に生まれ変わること。これであってるよね?
え? どうしてそんなことを話すのかって? こういう作品をきちんと読んでおけばよかったな~って思ってるの。
だってね、私は今、異世界転生して悪役令嬢をやっているんだから!
「オ~ッホッホッホ! 公爵家の令嬢であるこのアタクシが、これからは妃として王子を支えてみせますわ!」
きまった、見事な高笑い……!
最初のコメントを投稿しよう!