【×日目・大広間】プロローグ「世界に一つだけの指輪」

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 地球ではないとある場所。そこにそびえ立つ、とあるお城の大広間。  大勢の賓客(ひんきゃく)を招いたきらびやかなパーティー会場は、まるで宝石がいっぱいに詰まった宝箱のようにきらめいている。  たくさんの蝋燭が灯る下で、着飾った貴族たちは楽しく談笑をしているし、料理人が腕を振るった美味しそうな料理がいくつも並んで湯気を立てている。  今は夜で外は暗く、だからこそ大広間の輝きがいっそう際立つのかもしれない。  その中央でこれでもかと高笑いをし、ハイヒールのかかとをカツンと鳴らして存在感をアピールするのが、このわたしが演じる悪役令嬢サマだ!   本当の私は身長150センチ台で、髪は黒いショートカット。でも、悪役令嬢に転生した今の私はモデルみたいな高身長で、髪の色も真っ白に輝いている。そして、訳あって悪者の演技をしているの。  今お城でおこなわれているのは、悪役令嬢とこの城の王子様の婚約発表。  由緒正しい平民のわたしはちょっと気を抜くと背筋が曲がりそうになるので、これでもかとイヤミったらしい態度を崩さないように指の先まで意識を集中する。だって、悪役令嬢サマはいつだって上から目線だし、いつだって自分が正義だと思っているし、いつだって自分が世界の中心にいると思ってるんだから! たぶんね。  そんなふうに演技のことで頭がいっぱいいっぱいのわたしの横で、この城の主である王子が落ち着き払って話を続ける。
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