閑話

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仁王立ちになり高らかに言い放つ。 #高島 「若ちゃんは私たちと遊ぶのよ!あんたらの相手してる暇ないの!」  すると、後ろにいた浜辺さんと下山さんが付け足すように話す。 #浜辺 「そーよそーよ!ガキはガキ同士でバスケでもサッカーでもしてなっ!」 #下山 「わ、わたしたちも子供だけどね!」 #倉橋&長嶺 『で、でた~、若ちゃんファンクラブ……』 『若ちゃんファンクラブ』はもちろん非公式でつくられたもので、高島さんが筆頭になっている。 先生はかたくなに認めようとはしない。むしろ鬱陶しがっている印象がある。 #暁 若虎 「盛り上がってるとこ悪いけどな」  先生は呆れた顔で冷静なツッコミを入れる。 #暁 若虎 「俺たち教師に夏休みなんてもんはないの。だから誰とも遊ぶつもりはない」 「え〜」と口をとがらせる面々。 #高島 「若ちゃん可哀想~……」 #倉橋 「あ、そーいえば、何かの部活の顧問もしてたよね」  思い出したように倉橋くんがつぶやいた。 #暁 若虎 「ああ、剣道部のな」 #倉橋 「あー俺も剣道部に入れば良かったかなー」 口をとがらせる倉橋くんだが、その次の言葉に手のひらを返すことになる。 #暁 若虎 「もれなく夏休みは潰れるが」 #倉橋 「俺は何も言ってない。言ってないです」 #暁 若虎 「今からでも仮入部受け付けるぞ?……どうだ、俺と良い汗かこうじゃないか」 #倉橋 「おまわりさーん、こっちでーす! ここに変態がいまーす」 #暁 若虎 「はは、冗談だって」   男同士で盛り上がってる中、嫉妬した高島さんが間に入る。 #高島 「むぅ~っ……私だって若ちゃんといい汗かきt……あらやだっ……私なんて破廉恥な……っ」 #下山  「あ、じゃあ……お仕事応援にくるとかどう……かな?」  いつもは大人しい下山さんが、少し控えめに提案する。 #下山 「当番制で日替わり弁当とか……いいと思うんだけど……」 少しの沈黙のあと、目を輝かせる2人。 #浜辺 「お、いいねいいねー!じゃああたしは水曜日担当!」 #高島 「その話乗った!!!! 私は月曜日にするわよ!」 高島さんも気に入ったようだった。 #長嶺 「……そういうの、鬱陶しいだけだと思うんだけどなあ」 長嶺くんは、そんな女子たちの盛り上がりに水をさす。 #倉橋 「なになに!俺にも弁当つくってくれるって!?」 倉橋くんはというと、自分の都合のいいように解釈していた。 #高島 「……なんか言った?」 高島さんの物凄い威圧感に謝るしかできない両名。 #倉橋&長嶺 『いえなんでもないです、ごめんなさい……』 そこへ、満面の笑みを浮かべた先生が割り込んでくる。笑顔ではある者の、顔は引きつっている。 これは本当に怒っているときの顔だ。 #暁 若虎 「さあ、そろそろみんな仲良く帰ろっか」 「……な?」 #倉橋&長嶺 『ぎゃー!!若ちゃんがキレたー!』 #高島&浜辺&下山 『怒った顔も素敵~!!』
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