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私の知っていることだけが、テストに出るようになったからだ。具体的には、前日の夜に勉強したところは、必ずテストに出題されるようになった。
今回は運がよかった――そう思ったけれど、さすがに全部の教科でそういうことが起こると、なんとも気味が悪くて、居心地が悪くなってくる。
「先生ぇ? 月乃エイルちゃんがカンニングしたとこ、あたしが見ましたよぉ」
昼出リュンちゃんが言った。彼女は学校内のスクールカースト一軍女子で、このクラスで一番偉くて、先生の覚えもいい。黒とピンクのいわゆる地雷系ファッションは、カースト上位女子の戦闘服だ。小学五年生にもなってツインテールなんて、よほど顔に自信がないとできない。私はリュンちゃんのことがあまり好きじゃないけれど、そういう自信にあふれているところは素直に羨ましいと思っている。絶対に、本人には言わないし、態度にも出さないけれど。
「やっぱりそうなんですね!」と先生は嬉しそうに言った。「リュンさんがそう言うなら、間違いないでしょう。エイルさんは、放課後、職員室へ来るように」
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