血を与えし者の運命

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 毎日のように男たちに言い寄られては、無視をし続けていた。  誰もが、何度口説いても言葉すら交わさず、ツンと跳ね返される。  そんなエーデルに腹を立てた一人の男。金もあり、容姿も端麗。必然的に、女に困ったことはなかった。それでもエーデルは彼を無視した。プライドが傷つけられたその男は、エーデルを手に入れるためにある計画を企てた。  夜、エーデルが寝ているとその男が家へと侵入してきた。  祖母を薬草で眠らせている間に、エーデルの口を塞ぎ攫ってしまったのだ。  エーデルは恐怖だった。魔物に襲われるよりも恐怖を感じた。  ジタバタと暴れ、声にならない声で助けを求めたが、森の奥深くに連れ込まれてしまい、その声は誰にも届かなかった。  男はエーデルの腕を縛ると、狂ったような笑みを浮かべた。 「お前が嫁いでこないからだ」  そう言って、まだ幼い少女の服を破った。  エーデルはただ目を瞑り「たすけて」そう心の中で叫ぶことしかできなかった。 「うぎゃ!」  その瞬間、急に目の前にいた男が呻き声をあげた。  恐る恐る目を開けると、男は何かにおびえるように転がっていた。 「ウゥゥゥッ」  低く唸る声。白く光る白銀の毛。そして、赤く光る眼。
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