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「うわー、今の痛そう」
「ケガしてなきゃいいんだけど」
隣にいたマネージャー友達のミホと手を握り合って心配になるくらい、嫌な感じのアクシデント。
うずくまる彼が足首を抑えていた。
転んだ拍子に膝も擦ったのか、血が出ているように見える。
仲間に抱えられながらベンチに戻った彼は、向こうの男子マネージャーから怪我の手当てを受けていた。
結局彼はそれ以降コートには戻れず、交代となってしまう。
更に悪いことは重なり彼の方がぶつかったと判断され、フリースローがうちのチームに与えられた。
司令塔を失った相手チームは急激に失速し、僅差ながら我がチームが逆転勝利。
試合終了のホイッスルのあと、喜ぶうちのメンバーと肩を落とす相手チーム。
頭にタオルをかけ試合の行く末をベンチで見守っていたあの彼の頬に汗ではない、なにか光るものが見えた、そんな気がした。
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