推しと同棲。

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僕はオタクだ。毎日推しのことばかり考えている。 僕の推しは、アニメのきららあかねちゃんだ。 あかねちゃんは、兎に角かわいいし歌がうまい。 3次元の女みたいにわがままでもなけりゃ、僕に悪口を言うこともない。どこから見てもかわいい。 今日は、あかねちゃんの写真集の発売日だ。 僕はこの日を待っていた。あかねちゃんのために、嫌な仕事だって乗り切ってきた。僕は書店にいる。 目の前にはあかねちゃんの写真集がたくさん並べられている。僕は拝んだ。仏壇にするあれだ。 そして写真集を手に取りレジへ向かった。 レジでお会計を済ませ家に帰る。帰宅するまでの道のりは長く感じられたが、この時間も気持ち良い。 ニヤニヤが止まらない。 自宅の玄関を開けて、手を洗い、リビングに座りあかねちゃんの写真集を開いた。 どれもこれもかわいい。この世のものとは思えない美しさ。歌を歌うあかねちゃん、テニスをするあかねちゃん、街を歩くあかねちゃん。 ピンク色の髪の毛。大きな目。細くて長い足。 僕は幸せだ。 僕は写真集に頬ずりをする。 あかねちゃん大好きだよ。 また明日から仕事頑張ろう。 僕は自分で言うのも変だがモテる。3次元の女の子から何度も告白されている。実際お付き合いした人もいるが、僕がオタクだとわかると大概の人は僕のもとからいなくなる。だから僕は告白されてもお断りしている。面倒くさいからだ。 今日も仕事頑張らなくちゃ。 僕は机に向かい書類と向き合う。僕は事務職だ。 営業事務をしている。毎日無茶振りしてくる営業マン達の仕事を片付けていく。今日も戦争だ。 僕は同僚と協力して頑張る。あかねちゃんのためだ。来月のライブイベントのために頑張るのだ。 僕は定時まで走りきった。ゴールをしたら何があっても帰宅する。僕は時計が18時になったのを確認して会社を出る。そして電車に乗り1時間、スマホであかねちゃんを楽しみながら帰宅する。あかねちゃんは僕を癒やしてくれる天使だ。 帰宅した僕は、風呂を入れて着替えて食事を作り食べる。今日は野菜炒めだ。食事を終えて風呂に入り 風呂が終わったらあかねちゃんの写真集を持って来て眺める。なんとも贅沢な時間だ。しかし今日は眠い。疲れたようだ。僕は写真集を持ったままソファーで横になった。 「ねぇ、ねぇ起きてよ。」 僕は誰かに身体を揺らされている。母さんったら、 本当にうるさい。リビングで寝たからと言って口うるさいこと言うんだから。 あれ、僕は今どこにいるんだっけ。 実家かな。いやいや、アパートだ。 僕は目を開けた。やはり僕はアパートにいる。 「ねぇ、起きて。」 「えっ、え〜(・_・;)。」 僕の目の前が、緊急事態になっている。 消防、警察何を呼んだら良いんだっけ。 落ち着け、落ち着くんだ自分。 僕の目の前には、あかねちゃんがいる。 3次元のあかねちゃんだ。 この日から僕とあかねちゃんの不思議な同棲生活が始まった。
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