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そんなある日のこと、祖父が台所にあるテーブルの上に、袋の中から薬の束を出した。そして、ぷちっ、ぷちっ、と音を立てて包装紙から錠剤を取り出していく。
僕は、テーブルの上に身を乗り出して足をぶらぶらさせながら、その様子を眺めていた。
「一、二、三、四、五、六。えー、六個もお薬を飲むの?」
幼かった僕は、単純にその数に驚いた。
幼い僕は、風邪を引いた時に、小さな白い錠剤を一粒飲むのがせいぜいだったからだ。
僕は椅子の上に移動すると立て膝をして、テーブルに置かれた薬を一粒一粒入念に見ていく。
楕円形で表面が光沢を帯びた白い錠剤、少しくすんだ白の細長い錠剤、小さめのベージュの丸い錠剤……
そうやって見ていく中に、僕は、ひと際かっこいい薬を見つけた。
それは、カプセルだ。
他の薬達よりも一回り大きく、細長い。そして、何よりの特徴は、真ん中でオレンジと白の二色に色分けされていることだ。
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