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地区大会は残念ながら、男子も女子も負けてしまった。
大会が終わったとともに、三年生も引退。悲しいくらい現実として受験が迫っているからだ。
チームとしても先輩が抜けたことを悲しんでいる暇もない。すぐに新体制に向かって走り出した。ありがたい事にレギュラー枠には入れてもらえた。正式なスターティングファイブは新人戦直前まで決まっていないけど、もちろん狙っている。
「なぁ、まだ練習すんの?」
篠原の少しあきれた声が俺に投げかけられる。
部活の練習時間が終わった後。残ってシュート練習をするようになった。
篠原も最初は付き合ってくれていたけど、さすがに疲れたみたいで、もうずっと壁にもたれている。
「別に待っててくれなくていいよ。先に帰ってくれ」
「そうは言うけどさー。心配してんだよ。練習し過ぎはぶっ倒れんぞ」
篠原の言うこともわかる。実際、こうしてシュート練で残ってると、部活の顧問に最後は怒られるんだ。早く帰れって。
わかってるけど、やめられない。
シュートの精度なんて一朝一夕で上達するもんじゃない。日々の積み重ねだって事もわかってる。
だけど、疲れた時こそちゃんと決められる強さが欲しい。じゃないと強くなれない。
『絶対に叶えてみせる』
地区大会で負けた後、東条と交わした約束。
来年こそ優勝する。
その誓いを守るためにも、努力をかかしたくないんだ。
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