tip off

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「あれー?男バスの二人じゃん」  体育館入口から大声が響いた。 「高村?」  よっ!と手をあげて体育館に入ってくる。  もう帰り支度をした後なんだろう。バッシュではなく靴下のままだ。 「なに?こんな時間まで自主練?」 「そうなんだよ。こいつストイック過ぎてさ〜。全然言ってもやめねーの」 「ふぅーん。でも、身体を休めるのも大事な事だよね」 「だろ?高村、話がわかる!」  なにやら意気投合した二人がいる。これはもう、このまま続けてもめんどくさい事になりそうだ。 「わかった。片付けて帰るよ」  俺の言葉にホッとした表情をみせる篠原。こいつもお人よしだよな、本当。 「あ、そういえば辻。クラスのコがね、あんたの連絡先知りたいらしいんだけど」 「またか。なんだ?次から次へと。まさか賭けたりしてんのか?お断りだ」 「そういうとは思ったよ」  少し前から、同じような事を何度か言われた。しかも本人からじゃなくて、いつも誰かを通して。そんな相手に誰が連絡先なんて教えるかよ。
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