25人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれー?男バスの二人じゃん」
体育館入口から大声が響いた。
「高村?」
よっ!と手をあげて体育館に入ってくる。
もう帰り支度をした後なんだろう。バッシュではなく靴下のままだ。
「なに?こんな時間まで自主練?」
「そうなんだよ。こいつストイック過ぎてさ〜。全然言ってもやめねーの」
「ふぅーん。でも、身体を休めるのも大事な事だよね」
「だろ?高村、話がわかる!」
なにやら意気投合した二人がいる。これはもう、このまま続けてもめんどくさい事になりそうだ。
「わかった。片付けて帰るよ」
俺の言葉にホッとした表情をみせる篠原。こいつもお人よしだよな、本当。
「あ、そういえば辻。クラスのコがね、あんたの連絡先知りたいらしいんだけど」
「またか。なんだ?次から次へと。まさか賭けたりしてんのか?お断りだ」
「そういうとは思ったよ」
少し前から、同じような事を何度か言われた。しかも本人からじゃなくて、いつも誰かを通して。そんな相手に誰が連絡先なんて教えるかよ。
最初のコメントを投稿しよう!