3970人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
聞かせて欲しいと言いながら…
「対峙するだろ?って聞こえた」
“バレてるな”
「お互いに」
“それじゃ決まり。和花、俺の事務所分かる?おかしな場所で話をするよりいいと思うんだ”
「分かる。名刺………どこかにある」
“ふっ…後で住所送る。明日の18時に来てくれるか?”
「今日じゃないの?」
“悪い…きっちり万全に準備させてくれ。そこまで………ギリギリまで俺も動くから、明日が最短”
「分かった。明日行く」
“じゃ、切るよ。俺まだやらないといけないことが秒単位”
「ごめん…」
“そうじゃないだろ?俺が任せてって言った”
「ありがとう」
“どうってことない。このあとずっと和花と一緒にいるための数日の頑張りなんてな”
そういう言葉はドキッとするよね…
私も頑張ろうって思った午後だけど…隣のデスクから
「有田さんって窓際族ってホントですか?コールセンターってそんな部署に思われています?」
と聞かれて一気に凹む。彼女は何らかの噂を耳にして、コールセンターがそういう部署っていうことが気に障ったのだろうけど。
やっぱり一刻も早くここから逃げたくなる…明日、ケンちゃんの言ったように有給にして休もうかな…
そう思って、水谷主任に“急にすみませんが…”と有給申請を申し出ると
「いいわよ。一日でいいの?」
と腹の立つ言い方で快諾された。もう少しの我慢だよね…
と…その夜は珍しく…珍し過ぎるんだけど、お兄ちゃんから電話があった。
最初のコメントを投稿しよう!