飲む、打つ……咲く?

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飲む、打つ……咲く?

おばあちゃんは 「ここまで来てくれて嬉しい。それだけでええ」 と、私と彼が一緒に暮らすことには何も言わなかった。可笑しかったのは 「てっちゃんはここにいるけど、のんちゃんは遠くで頑張ってるからね」 と言ってお小遣いをくれたこと。毎月こんなことはないから、きっと藤司の前でカッコつけたんだよ… 「ありがとう、おばあちゃん。藤司、てっちゃんっていうのは弟」 「うん。今度会いたいな」 「のんちゃんが綺麗になったと、おじいさんに言ってたところだったの…先月か…いい人のおかげだったとまた言っておかんとね」 おばあちゃん、目が悪くなったのではないかとも思ったけど、帰りの車で 「最初に見た時から可愛いけど、最近綺麗になったと俺も思う。俺が愛した分、綺麗になるんじゃない?」 と藤司がまた太ももを一撫でして、すぐにハンドルを持つ。照れる…内ももに赤い華を咲かせるよりも、私自身が咲きたいよね。 そう思うと、来年の資格試験に絶対に合格しようと決意する。いろんな意味で咲きたいもの。恥ずかしいから藤司には言わないけど… 「毎日おんなじ顔見てるだけで…変わらないけどね」 「生まれた時から和花レベルの顔を見てると、お兄さんとか弟くんの女性をみる目は厳しい?」 「どーだろ。普通に3人似てるの。自分やきょうだいのレベルなんて考えてないでしょ…お兄ちゃんの彼女は、切れ長美人だよ」 「和花と違うタイプだな」 「そうだね。うちは3人とも出目っぽいんだよね」 「大きいってことな。そこはお父さん似」 「うん」 お父さんは、空前絶後芸人に似ているとよく言われてる。 「藤司はお父さん似?お母さん似?」 「父さんって言われるな。来月、来るみたいだから和花の引っ越しはそれまでにしよう」 「うん」
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