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「和花さんは、何が好き?趣味とかあるんだったら、一人暮らしの時と同じように楽しめてる?」
「はい、あまり変わらず」
「それは良かった。何が好きなの?」
ここで、この目の前にある“フラワーアレンジメント”とか言えたら、可愛いんだろうな。
「私、お酒が好きなんです…」
「お酒は何を?日本酒ってこと?」
お、お父さんが食いついた?それとも引いてる?
「日本酒が一番好きです」
「和花、めちゃくちゃ綺麗に、カッコよく飲むんだ。俺が最初に見た時も」
「そうか。楽しい趣味だね」
「羨ましいわぁ、私はアルコールがダメなの。でも飲み会の雰囲気は好きだから、ソフトドリンク参加をするのよ。じゃあ、おつまみとか作るのかしら?」
「子どもレベルの簡単さで…はい」
嫌な視線は感じないし、取り繕って後でバレるのはイヤだから正直に答える。
「でも結構な種類を作るよな?美味しいし。俺、あの冷や奴なら、冬でも食べる」
「「冷や奴?」」
お二人…正しい反応です。冷や奴…もう11月ですけど、冷たい豆腐をそのままですから。
藤司は、なめ茸を乗せて、ごま油は絶対にいる…とかレシピを公開しているが…これはちょっとお恥ずかしい…
「いいな、それ。今夜、やってみるよ。熱い芋焼酎が好みなんだけど、合いそうだね」
え…藤司父、冷や奴いきます?
「私は飲まないけど、お豆腐は毎日摂りたいから、一緒に食べるわ。いいこと聞いたわね」
え…藤司母も冷や奴いきます?
藤司は調子に乗ったのか、私の太ももを撫でながら、焼き海苔でチーズを挟むだけでどれだけ美味しい、とか、それにわさびを塗るのもありだとか、私の簡単おつまみを次々と両親に披露した。
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