飲む、打つ……咲く?

7/9

4184人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
「和花さんは、何が好き?趣味とかあるんだったら、一人暮らしの時と同じように楽しめてる?」 「はい、あまり変わらず」 「それは良かった。何が好きなの?」 ここで、この目の前にある“フラワーアレンジメント”とか言えたら、可愛いんだろうな。 「私、お酒が好きなんです…」 「お酒は何を?日本酒ってこと?」 お、お父さんが食いついた?それとも引いてる? 「日本酒が一番好きです」 「和花、めちゃくちゃ綺麗に、カッコよく飲むんだ。俺が最初に見た時も」 「そうか。楽しい趣味だね」 「羨ましいわぁ、私はアルコールがダメなの。でも飲み会の雰囲気は好きだから、ソフトドリンク参加をするのよ。じゃあ、おつまみとか作るのかしら?」 「子どもレベルの簡単さで…はい」 嫌な視線は感じないし、取り繕って後でバレるのはイヤだから正直に答える。 「でも結構な種類を作るよな?美味しいし。俺、あの冷や奴なら、冬でも食べる」 「「冷や奴?」」 お二人…正しい反応です。冷や奴…もう11月ですけど、冷たい豆腐をそのままですから。 藤司は、なめ茸を乗せて、ごま油は絶対にいる…とかレシピを公開しているが…これはちょっとお恥ずかしい… 「いいな、それ。今夜、やってみるよ。熱い芋焼酎が好みなんだけど、合いそうだね」 え…藤司父、冷や奴いきます? 「私は飲まないけど、お豆腐は毎日摂りたいから、一緒に食べるわ。いいこと聞いたわね」 え…藤司母も冷や奴いきます? 藤司は調子に乗ったのか、私の太ももを撫でながら、焼き海苔でチーズを挟むだけでどれだけ美味しい、とか、それにわさびを塗るのもありだとか、私の簡単おつまみを次々と両親に披露した。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4184人が本棚に入れています
本棚に追加