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「安心したわ」
「来て良かったよ」
「有田さんには許可を頂いたと聞いていたし、藤司も真面目に付き合ってるって言うなら、私たちは反対することはないんだけど…」
けど…?
「やっぱり、人間誰しも、好みがあって、合う合わないはあるでしょ?」
それはそうだと頷く…
「妙なぶりっ子とか、語尾の甘ったるい女の子は苦手なのよ、私もお父さんも。だから“え〜っとぉ…趣味はお菓子作りですぅ”みたいなのじゃなくって、考える間も見せずに“お酒が好き”と真っすぐ答える和花さんは、私たちのお友達タイプ。だから安心してこれからお付き合い出来ると思ったの」
え〜っとぉ…からの誰のモノマネ?に一瞬気を取られて、話が頭に入ってこない危険があったけど、藤司の手が私の手を握ったから大丈夫だった。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「和花さんというのもよそよそしいね」
「いいんじゃない?父さんは、まだヨソの人ではあるよ」
「藤司…お前……まさかおかしな独占欲で和花さんを困らせてるんじゃ…」
ぶっ…ごめんなさい……笑わせて…アハハハッ…なんという親子のやり取りだ。さっきの感動を返して。
「笑うと、ちょっと幼くて可愛いわね。のんちゃんって感じ」
「周りから、そう呼ばれること多いです」
「じゃあ、私たちものんちゃんで」
私も良かったよ…さっぱりしたご両親で。
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