~1年後~どんな花を咲かせましょ?

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~1年後~どんな花を咲かせましょ?

「こんにちは。お世話になります」 「木岡さん、こんにちは。ご足労いただきありがとうございます。あ、茜さんもご一緒ですか」 きおか商店の木岡さんは、去年の騒動後、三原先生の2ヶ月ごとの訪問を半分に減らした。三原先生は4ヶ月で訪問。間の2ヶ月でこうして書類を届けてくださることになったので、実質的に帳簿チェックは同じペースだ。 「こんにちは、アリちゃんさん。今日はご報告があって、ついて来ました」 「茜さん…すごい」 「あはっ、まだ何も言ってないけど」 「あぁぁ…ごめんなさい。まずはおかけになってください。三原も電話が終わったら来ますので」 私がお茶の用意をする間に、三原先生は電話を終え、武本先生も帰って来た。 「武本先生も一緒に、報告だけ聞きましょう」 三原先生の仕事だけど、私と武本先生も、座った三人の傍に立つ。 「茜さん、お願いします」 「無事、ネイリスト技能検定試験に合格しました。応援ありがとうございました」 「おめでとうございます!」 「よかった、よかった。おめでとう」 「木岡さんもよかったですね」 私、武本先生、三原先生が言うと 「ここでご迷惑を掛けたことがきっかけで…喜んでいいのか。喜んでるんですが」 と木岡さんが笑う。 「でもまだ3級なんです。もう次の冬期試験の申し込みもしたんです」 「それがすごい。またいい報告を待ってます」 茜さんに武本先生が言ったのに合わせて会釈をし、私と武本先生は席へ戻る。 よかった…彼女はあのあと、好きなネイルを仕事にしようと考えた。あの日の装飾ネイルも自作だと聞いたから、彼女は本当に上手なんだと思う。でも… ネイリスト資格はなくてもネイリストになれるらしいが、実際には資格のない者は雇ってもらうのが難しいこと。自分の爪には上手に出来ることが、対面で人に施術すると難しいこと。 これに気づいて、彼女はスクールに通い先月10月の秋期試験を受け、11月下旬の今、合格発表があったというわけだ。 私も今月、行政書士試験を受けた。でも合格発表が来年って遅いよね…
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