〜すずめ屋〜こうでなくっちゃ

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〜すずめ屋〜こうでなくっちゃ

合格通知書と新しい名刺を手に入れた夜、藤司とすずめ屋へ報告に行くと 「それなら、今日は帰ってくれ」 とおっちゃんに言われた。まあ、結構飲んでる人はいたけど、二人は座れるのに… 「珍しくしげちゃんとチョウさんが今日はいない。前もって日を決めて貸し切りにする」 「そうね。のんちゃん、武本先生の予定も聞いて連絡くれるのがいいね。奥さんも来られたらって聞いてみて」 おばちゃんも忙しく手を動かしながらそう言うので、私たちは食いっぱぐれて帰宅した。いや…お祝いをしてくれるってことだから、嬉しいしありがたいんだけど… 「帰ってくれ、と言われると、急に家でご飯になるよね」 「何作ろうか?」 「藤司は最初、私にプレッシャーを与えないように簡単なものしか出来ないって言ってたんでしょ?何でも作るよね」 「和花と一緒にキッチンに立つ間に覚醒しただけ」 マンションの部屋に入ると…チュッ…で、洗面所にダッシュして服を脱ぎ、下着姿で手洗いをすると冷蔵庫の前に行く。一人一品作るには、早い者勝ちで現状の残り食材を使うことになるから… 「寒いだろ?」 暖房を急速でつけた藤司が、冷蔵庫を覗く私にTシャツを被せ、モコモコのパーカーとパンツを履かせてくれる間に 「メニュー決めた~まいたけは、私」 と包丁いらずの食材を予約した。 「まいたけ、何を作る?」 「冷凍庫にご飯と刻んだネギがあるでしょ?どこかに干しエビなかった?」 「ある、ここ。チャーハンか?」 「そう」 「いいな。じゃあ俺は……」 フフフフ…悩みたまえ。私は今日も包丁とまな板いらずだよ。
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