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ケンちゃんに電話……全然連絡してないからずーっと下の方にケンちゃんを見つけてタップ。一番上は藤司だったよ…
“和花、今から出るか?”
用件をケンちゃんから言ってくれるという展開に
「うん。お願いします」
と短く応えて終了。バッグにスマホを入れながら、ケンちゃんの想い人のあの子…美南ちゃんなら
“甘えちゃってごめんネ”
とか言うのかな?と、直接話したこともないのに勝手なイメージで妄想した。
「えっ、ケンちゃん?」
「何?」
「国道出ないで、駅でいいんだよ?」
「雷、くる」
「………」
「部屋、はっきりは知らないから、近くになったら教えて」
「いいの?」
「いいよ。洗車ドライブ」
「ありがとう。雷だけは…出来れば避けたい…」
「昔から苦手だもんな。一人の時、どうしてる?」
「時間に関係なく、全部の電気をつけて部屋を明るくするでしょ。イヤホンつけて、エアコンもつけて」
「暑さに関係なく、雷でエアコンってこと?」
「そう。なんか…何て言うんだろ…雷の時って妙な静寂っていうか…感じない?だから部屋の空気を動かすの」
「なるほど。やるじゃん、和花」
「さらにサングラスする時もある」
「ぶっ…それは効果あるのか?」
「……気合いって感じかな?っていうか…いいの?ドライブって、ケンちゃん、彼女いない?」
あまりにも普通に会話しているけれど、運転するケンちゃんを見て心配になった。
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