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私の部屋の前でそう言われて
「本当に…誰が通報ってしたんだろ…」
と、金曜の熱を思い出しそうなのを封印する。
「負けた腹いせにイタズラとか、それくらいしか思いつかないな。中筋さん夫婦もトラブルに思い当たらないようだったし」
大丈夫というように、そっと私を抱きしめて後頭部を撫でた彼は
「週末デートさせて…今日は帰る。もう少し話していたいけど、そんな気持ちはエンドレスだからな…」
と強く私を抱きしめた。それ…ダメだって…なんか、体の熱がおかしいんだよ…藤司が触れると。
「おやすみ、和花」
「おやすみ…気をつけて帰って」
「……それな……気持ちが乗っかってるの、それ」
一旦離れたと思うと、ぐいっと引き寄せられ、深い口づけが…ゆっくりと全身が熱を帯びる口づけが長く…長〜く………長〜〜く続いた。
「和花…ここで涙目は反則」
コツッと額を合わせて、藤司はそう言うと
「今夜抱くと、カラダ目的で送ってるみたいに思われるのが嫌だから帰るな。週末まで我慢して」
と私の頬を撫でた。
「ぐゎ…まん?」
「慌てない、慌てない。大丈夫?慌てなくても俺は逃げないよ」
「…嬉しそうだね」
「和花の気持ちが伝わってきてるからね」
「私の気持ち?」
「うん、和花の気持ち」
「………なに?」
「もっと熱くして」
「…おやすみ…もう帰っていいよ」
くるりとドアに向いてカギを持った私の頬から顎に手を添え振り向かせた藤司は、私の肩越しに熱いキスを…時々甘噛みするようなキスをした。
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