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好き…嫌い?
自宅待機って…この部屋にいろってことか。
まだ木曜日の夜だけど“謹慎”が始まった気分だ。
本当に心当たりはないんだよね…無気力感に襲われ、大の字に寝転んで考える。
勤務先に連絡してくるって、誰?私に恨みがあるなら、昨日のすずめ屋の警察騒ぎではノーダメージだよね。そこも私の頭では繋がらない。
でも昨日の今日だから、同一人物の仕業だと考えるのが妥当だろう。
全てを把握しているのは藤司しかいない。
「…とう…」
“和花?ちょっと待って……うん、電話ありがとう”
真っすぐにしか進めない私が思い切って藤司に電話を掛けると、彼は外にいるようだった。
「話があるんだけど、今いい?」
“いいよ、事務所を出たところ。どうした?週末デートのこと?”
「違う。昨日のすずめ屋のこと」
“ああ、気になるよな”
「藤司、知ってた?」
“何を?”
「警察が来ること」
“どうやって?知らないけど…なんかあったか?”
「ボコボコにされるくらいにあった」
“はっ?ケガ?今どこっ?”
「ケガはないけど、ココロがズタボロ」
“和花、今どこだ?”
「家」
“自分の部屋だな?”
「そう。明日も一日出られない」
“………どうなってる…?今から行くから待ってて”
切れた…何も知らない風だったけど、電話では分からないか。直接聞くほうがいいかもね。
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