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長い、長〜い一日だった…会社からの連絡は特になく、終業時間になって直属上司から電話があり
“お疲れ様でした。月曜はコールセンターの水谷主任のところへ行ってくれたら大丈夫ですから、よろしくお願いします”
という連絡だった。
コールセンターはフロアが異なる部署で、パート、アルバイト、派遣、契約社員が多く、正社員は少ない。水谷主任の名前は知っているけど、顔も知らない。
昼間に藤司から電話があった時
「一気に老けそうな一日だよ…」
とボヤく私を彼はケラケラと笑い飛ばした。
“一日で大人っぽく変身か”
「素晴らしいポジティブさ」
“俺と年の差、縮まった?”
「知らない…藤司、何歳?」
“言ってなかったか…”
「あんまり気にならないからね」
“38”
「ふーん、そうなんだ。じゃあ、お仕事頑張ってね。切るよ」
“そのツン、最高級の可愛さだな。ちょっと頑張ってくるわ”
「ちょっとね、ハハッ…」
そんな電話を挟んだって、長い一日だった。友達や親にも言えないようなことが起こっているから、時間潰しの電話も出来ない。だいたい私が“時間潰しの電話”と頭に浮かべることが非常事態だもの。
すずめ屋にも行けないし、何か作るか…終業時間が過ぎたから行っていいのか…いや、ここでいいや。
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