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しげちゃんの隣で、鶏ももの山椒焼きと豆腐のガーリックステーキと枝豆を注文する。
豆腐のガーリックステーキは豆腐がサイコロになっているから、しげちゃんにも
「どうぞ」
と間に置いておく。すでにしげちゃんのポテサラに私は手をつけていることも言っておこう。
「先週ものどかの一人勝ちだったよな」
「ごちそうさまでしたぁ」
「のんちゃん、年寄り相手じゃつまんなくない?」
「おばちゃん、それはないよ。全然ない」
「そう?いつも勝ってはおごってもらえるからじゃなくて?」
おばちゃんの言葉に、店にいた皆がどっと笑う。
飲み屋さんの常連さんばかりで、みんなが麻雀をするわけではないけれど、お互いの生態は知ってるくらいに話をしたことはある。そりゃ、7年近くも通っているとそうなるよね。
「違う、違う」
「大丈夫、大丈夫。のどかが、みんな友達仲間だと思っていることはみーーーんな分かってて言っとる」
「そう、そう、しげちゃん。おばちゃんも含めて、ここは楽チンなんだもん」
「自然体ってやつだな」
「おっちゃん、さすが!」
「上では容赦なく巻き上げても、ここでこの可愛さだよ…ったく…」
「えーっ、聞き捨てならぬ」
「ハハッ…聞き捨ててくれ」
「どーしよっかな…おっちゃん、フルーツ、何かある?」
「日本酒片手に、面白いな」
「ちょっと体がビタミンを欲してる」
「年中売ってるアメリカ産のオレンジでいいか?」
「プリーズ」
「それ食ったら、上な」
「うん。いいけど…しげちゃん…今日はメンツが少ないんじゃない?もう上にいるの?」
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