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藤司からの連絡はないのだと思っていたくらい、もう寝ようとしていた真夜中になって
“起きてる?”
“会社、どうだった?”
“仕事を与えられないとか、不当な扱いではないか?”
と連投されてきた。これが苦手なやり取りだ…私はマメに連投なんて無理。
“大丈夫”
この夜はこれで終わり。彼はまだ何も調べていないのだろうか…仕事しながらは不可能なのかな。
翌日の仕事も人目を気にしつつというのがストレスだ。同期の女の子と廊下の端っこで会った時には、パーッと手を振るいつもの感じではなく、知らない人に会ったかのように小さく会釈された。
はぁ…何らかの噂を聞いて距離を置かれているんだ。
もう無理かも…
私はお昼寝休みに、思い切って藤司に電話をかけた。どうなってるの?って…彼を責めるつもりはないけれど、彼から言うつもりがないなら聞かなくちゃ。藤司が調べられないなら、自分で動くしかない。
私は…逃げるより……それならその前にパーッと散るよ、ケンちゃん。
「藤司、ごめん。今いい?」
“うん。そっちは大丈夫じゃないよな…”
分かっているなら何とかしてっ、と一瞬思ったけれど、藤司を責めるのは違う。
“和花、いい?”
私から電話したんだけど?話があったの?
“和花は俺が解決するのではなく、犯人と対峙するつもりでいる?そこのところ聞かせて欲しい”
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