決着、未来…酒?

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本当に南田さんなの?別に私への悪意を含んだ視線も感じないし、とても普通に見えるんだけど… 「順に話をしていいか?武本には第三者の冷静な目が欲しいからと、今後の話にもなるから事前に話をして、俺が同席を頼んだ」 コクン…だから最初に私の名前を知っていたんだね。 「聞く」 「ん、いい顔」 「はい、三原くん。個人的な感情を入れずに話を進めよう」 「な、今日の武本はこういう役」 ふっと笑った藤司の横顔が疲れて見えたのは気のせいか…彼が順に話すと言ったことは複雑なこともなく、単純と言えば単純なことだった。 「ここまでわかった?質問は?」 「南田さんが営業前のすずめ屋に行った時に、おっちゃんとしげちゃんたちが喋ってたのが“のどかが勝って男を買った”それを聞いた南田さんが、ダメでしょ?ってなって、アンタのとこの先生が買われたんだよっておっちゃんたちが可笑しく言ったら、この仕打ち…あってる?」 「あってる」 「くだらな過ぎて…やばくない?こんなんで私、酷い思いしてるんだけど?おっちゃんたちもイチイチ警察まで来てたんじゃ、冗談も言えないよね」 「あなたが酷い思いをしてるなら、私は満足よ」 初めて聞く南田さんの声がこのセリフって…しかもやっぱり表情が普通に見える。それが逆にヤバい…? 「藤司と武本先生は理由まで知ってるの?」 「いや、まだ。南田に事実確認だけして、今後のことに走り回ってた。理由がどうであれ、やっていいことと悪いことはある。土曜日には事実確認は出来たんだ…でも“だからどうする?”ってところまで準備するのに時間がかかった。その間、酷い思いをさせて申し訳ない」 「藤司は悪くな…」 「藤司、藤司って、さすが買った男は所有物?えらそうね」 ほぉ…そうなります?
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