決着、未来…酒?

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「いくらって聞いて、ここで示談にする?出来るのか?結局弁護士ってなるなら無駄な時間だけど?」 武本先生が南田さんを見たけど、私は藤司に聞いた。 「今ここで、そんな“示談”って出来るの?」 「双方が合意出来たら成立だから可能だし、金額も相場っていうのは俺も武本も、南田だって知ってる。和花が訴えるというなら、もちろんそれでもいい」 「………誰を訴えようが、何を訴えようが、何も元には戻らないんだよ。だから、結末がお金でしかないなら…どっちでもいい。藤司はどっちがいいと思う?」 「「示談金」」 武本先生までがキッパリと言うには、示談金の方が金額が多いと予測してのことらしい。 「じゃあ、南田さんに金額言わなくちゃ?いくらのものなの?」 「順にいくよ?名誉毀損は50万以下の罰金。いくらもらう?」 「50万」 「だよな。精神的苦痛に対する損害賠償は、何によってかで相場が大きく変わる。DVとかいろんな種類ってことな。今回は悪意ということになる」 「うん」 「その中でも、当人同士の関係性とかこれは本当にケースバイケース。今回は邦子先生なら、とりあえず100で行くけど…うーん…と言ってた」 なるほど…100万円は難しいってことだね。 「南田さん、いくらにします?」 「50万」 「ダメ、交渉決裂。有田和花ちゃん、明日邦子先生のとこな」 「待って、70万」 「和花、拒否していい」 「分かったわよ…90万」 「武本先生…藤司…私はいいと思うけど……?」 武本先生と藤司が金額引き上げに成功したので、いいと思う。南田さんは訴えられるよりも示談という方針のようだ。謝罪が出来ない人なんだもの…悲しいけどお金でしか終わらないんだね。 「うん、いいな。武本、これ、示談書作り始めて」 「OK」 「和花、あとは逸失利益な」
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