決着、未来…酒?

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疲れた… 「それって、計算しなきゃいけないんでしょ?」 「そう」 「毎年5000円昇給したはずが無くなりました、1年で6万円…あ、賞与に関係してくるから10万円の損失です、定年まで35年…350万円…みたいな計算?」 「話が早いな、和花。昇級の可能性を考えて倍額上乗せしろ」 「三原くん、それは不確かな条件だから呑めないわ」 「チッ…」 舌打ちしたのは、私の前にパソコンを持ってきて高速で指を動かしている武本先生だ。南田さんの言い分が通るパターンなんだね。決裂!って言わないから分かりやすい。 「100譲って250にしておく?」 私は交渉相手の南田さんではなく、藤司と武本先生に聞いた。 「優しいねぇ、有田和花ちゃん。南田さん、どうするよ?」 「逸失利益で600………分かったわ」 「交渉成立。和花、示談書に署名な」 「ちょっと待ってくれ…よ、っと。合計が740万円…よし。支払い方法は?今週中に全額でいいか?」 「いいわ」 おぉ~南田さん、すごいお金持ちなんだね。今週中ってあと2日だよ… 「和花、振込口座分かる?」 「え…っと…カードを持ってるから……これでいい?」 「いい、武本に示談書へ記載してもらって」 私と南田さんが示談書へ署名した瞬間 「さあ、今後の話だが…南田には、当然事務所を辞めてもらう」 「これは僕らが最初から決めていたから絶対。信頼出来ない行為は退所ってね」 「で、和花。キツかったよな…会社で人目が気になって落ち着かないだろ?うちにおいで」 「僕も有田和花ちゃん、大歓迎。ずっと経理部だって?ずっと営業だった子よりも、うちの事務にぴったりの人材だ」 私は税理士法人三原総合事務所のイケメン二人にスカウトされた。
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