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「よろしくお願い…いたします…うん…すずめ屋、久しぶり…」
「だよな。俺がみんなに説明するから、和花は美味しく飲み食いして」
「うん、任せて。ずっと休肝日だったから」
「マジで?重症だよな」
「マジでビール1本……たまに2本だけだもん」
「お疲れ」
「うん。いこ…」
藤司は私の首筋を覆うように右手を添えるとゆっくりと唇を重ねる。そしてその湿度が上がる直前にチュッ…とリップ音を立て
「続きはあとで…な…」
チュッ…もう一度軽くキスをした。最初からだよ…彼は容易に私の熱を呼ぶんだ…
「おっ、のどか、どうしてたんだよ。座れ、座れ」
「具合悪かったのか?」
「のんちゃんが来なかったから、みんなお酒が進まなかったのよー」
「………俺もいますけど?こんばんは」
しげちゃん、おっちゃん、おばちゃんに続いて藤司が言ったけど
「それはそれでいいから。それよりのどかだよ」
しげちゃんがそう言いながら自分の隣の椅子を引いた。
「それはそれ…俺はソレ………」
藤司がつぶやきながら、私の隣に座るとチョウさんが
「あ、来てたか。良かった」
とやって来て、しげちゃんの向こう隣に座る。
「昨日のチョウさんなんて、のんちゃんが来てるかだけ覗いて、いなかったから店に入らないで帰ったのよ」
おばちゃんがおしぼりをポンポンポンとリズミカルに置いた時
「ここへ警官が来たあと、和花に災難が降り掛かっていたんです。関連事件と言えるので俺から説明させてもらいます。飲み食いしながら聞いてもらったら…あ、俺は今日飲まないんでウーロン茶ください」
仕事の早い藤司が切り出した。
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