決着、未来…酒?

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おっちゃんたち全員がこの7年間で見たこともない真顔で私を見る。 「あ…もう終わったので問題なし。ビールとお酒も一緒にもう出してもらって…冷やで。えっと…牛肉トッポギと鶏のゆずソース焼きとハタハタの南蛮漬けときんぴらごぼうと枝豆と揚げじゃがいも………なに?なんでみんなクスクス笑い?」 「ふっ…俺の分も注文してくれたのか?」 「まあ、分けてあげるけど二人には足りないんじゃない?おばちゃん、揚げ出し豆腐はふたつ。私のはネギ増量してね」 「のんちゃん、ご飯食べてなかったの?」 「これだけ勢いよく注文出来るなら心配ないわな?」 おばちゃんがビール、おっちゃんが日本酒を私に出しながら聞くから 「元気、元気」 と即答すると 「あの注文覚えられたのか?皆があっけにとられて見てたから、書いてもないだろ?」 チョウさんがカウンター内へ視線を移した。 「チョウさん、心配すんな。何とかなる」 おっちゃんの言葉にみんな“はぁ?”ってなったけど、私は心配していなかった。そしてビールを飲みながら料理を待つ間に、藤司が一連の事件の真相を話して、その途中でおっちゃんは暖簾を下げて、店を閉めた。 「そりゃ………分かるまでミステリーだったな」 「そうなの、しげちゃん。面識のない人なんてね」 「ここでの話がきっかけだというのは責任を感じなくもないが、先生のとこから3人の誰かが帳簿を返しに来るっていうのは毎月、何年ものことで不審に思うわけがないだろ?こっちからすれば先生たちは同じように信用してるしな」 「それはすずめ屋さんのおっしゃる通りです」 「で、とーじは先生仲間の責任を感じてのどかの仕事まで用意するのか?」 しげちゃんは私に自分の、野菜の串揚げ盛りのお皿を寄せながら藤司を見た。
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