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「仕事のことは、可愛い和花と一緒にいるための手段でもあり、現実的にうちも事務員が欲しいっていうのもある。即戦力にならなきゃいらないくらい忙しいと思うけど、数字の管理をしていた和花なら問題ないと客観的に判断しました」
「それも、いい」
「チョウさん、そうだよな。好いただの惚れただの、それだけで生きていけるワケがないんだ。その客観的ってのは重要」
「そうそう、そういうこと。今だけよくてもいかんからな。今の満足が来年も再来年も…ずっと続かんといかん」
チョウさん、おっちゃん、しげちゃんが言うと
「和花にはキツい1週間でしたけど…」
「藤司も寝てないくらいの1週間でしょ?」
「精神的にキツいのは本人にしか分からない苦痛だろ…でもこのあとは和花と俺は、こんなことを笑い飛ばせる勢いで幸せになりますよ」
藤司がウーロン茶を片手にニカッと笑った。
「あぁぁ…安心したわ…もう何がどうなったのかと、ドキッとしながら話を聞いてたけれど…はい、揚げじゃがいも。もうすぐ鶏が焼けるからね」
「おばちゃん、注文カンペキだね。いただきます」
「うまそ…俺もいただきます」
そこから私と藤司は黙々と食べ始める…私はもう飲んで食べてたんだけど、再びという感じだ。
そして、あとの4人は
“酒の失敗にしても珍しい”
“酒の失敗じゃないだろ”
“元々、すずめ屋のような場に嫌悪感があったオンナだろ”
“お高くとまっても、性格がブサイクじゃ男はできないんだよ”
“次は自分が金で男を狩るんじゃないか”
と南田さんのことを好き勝手に言っていた。おっちゃんたちの酒の肴ってところかな…
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