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「とっ…ぅ…じ…っ……」
「ぅん?痛い?」
「ちがっ…ぅん……ぎゅっ………イジワルなんだよ…みんな……何も知らな…ぃ……のに……」
彼とひとつになって安心したのか……自分でも、なんで今?と思うけど、涙が溢れる。
「うん…何も知らないのにな」
藤司は足に掛けていた腕をはずすと、両腕でしっかりと私を抱きしめた…ついでに片足も私に回ってるね。
「そ……お金をちょろまかし…たって……」
「ひでぇな…救いようのないバカの集まりが噂してるっていうか、妄想で喋ってるな…」
「着服とか…っく…っ…ん……おーりょ……で貢ぐんだっ……て…」
「悪かった…和花……そんな時に一緒にいてやれなくてごめん」
自分の嗚咽でお腹が波打ち、ワケノワカラナイ快感が突き上げてくる。
「も…ダイジョ……ぶ……」
「まだまだ…何度でも聞くから……こうして抱きしめることしかできないけど」
彼は片手で頭も抱え…密着しているのにさらに引き寄せる。
「ホント…大丈夫」
藤司はもう一度、夜を巻き戻したように、優しいキスから始めた…ただ数時間前と違うのは私たちが繋がったままだということだ。
「和花…っ…」
何度も名前を呼びながら私を優しく突き上げる彼の汗がポトリと私の下腹へ落ちた時、きつく手を握り合って私たちはドロドロに溶け合った。
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