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その週末の土曜日…早朝に藤司はうちのカギを持って帰って行った。面倒なくらい短時間で済む用事だけど、小回りと融通がきく事務所ってことで、9時半に顧客とのアポがあるらしい。
私は一旦起きてもう一度寝ようと思ったけれど、外が明る過ぎて眠れずに、珍しく掃除をする。もうさっき起きた時に洗濯乾燥機は回したから、珍しいことが2乗の土曜日だ。
まあ、パジャマにしているでれっとしたTシャツと短パンのまま着替えていないし、髪ももしゃっとしたままだけど。
あ、短パンを少し捲ると、内ももに赤い華がいくつもある…藤司、これ好きだよね…と
ピンポーン…
うん?誰?時間を見ると10時過ぎ。藤司にしては早すぎるし、彼は私が寝ていてもいいようにカギを持って出たからピンポンしない。スマホを見ても、本日の荷物お届け通知はなし。
ピンポーン…
カメラもあるし出るか…
「…はい…ぇ…ケンちゃん?」
ケンちゃんが突撃訪問?あのあと連絡がなかったのに。
“おはよう。突然ごめん。少し話せるかな?”
話せるには話せるけど…どこで?
「ちょっと…待ってね」
えっと…
“はい、和花?”
あ、出た…
「ごめん…仕事は?」
“終わって、一旦家に向かってるとこ。そのあと行くけど起きてるのか?どうした?”
「あの…幼なじみクンの突撃訪問で…ここに入ってもらうのどーしよって…ちょっと複雑系?かも…なので…」
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