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“男が来た?男?男なんだな?”
何回“男”を確認するんだ…これは藤司に連絡して正解だな…
“今は外で待たせてるのか?”
「うん…危害の心配はないよ。生まれた時からお隣さんだし」
“わかった。和花の正しい行動に喜んで、先に俺が話してやる。それで心配ないから。いいか?”
狭い部屋の中を移動しながら聞いているから
「うん、ありがと。ケンちゃん、おはよう。突然でビックリしたよ。起きてなかった可能性ありだよ〜」
と藤司への返事と同時に、ドアを開ける。スマホを耳に当てたまま…
「休みの朝だもんな…ごめん」
有給消化でしばらくずっと休みだけど…
「電話中だった?」
「あ、これ、彼氏。ケンちゃんと話すって」
“和花、スピーカー”
「はぁい…スピーカーになったよ、どーぞ」
ドアを開け放ったままの狭い玄関で
“和花の幼なじみサン、三原です。あ、和花、名刺1枚持ってるだろ?あとで渡してあげたらいいよ”
「はぁい」
“俺が嫌なんで、部屋には上がらないでください”
なるほど…藤司の“心配ないトーク”が始まった。
「この前、付き合ってないって言ってたけど…」
「あのあとコクった」
“その前に俺”
「まあ、それはそれで…私も告白ってのをしたよ。ケンちゃん、ちょうど一つ聞きたいことがあったの。この前、嘘ついたでしょ?」
「嘘?」
藤司もこのままでいいや…あとで説明する手間が省ける。
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