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“和花のいい女っぷりがよく分かって満足だが…ケンちゃんサン、俺の和花で手を打っておくか、なんなら弄ぶ…みたいな扱いをしたってこと?”
「申し訳ないけど…そう…いやっ、好きには違いないから弄ぶとかトンデモない、っていうか弄ぶくらいの経験も余裕もないけどっ。でも謝ろうって…哲也に会って喋ったんだけど、和花と同じように可愛くてっ」
「よく分かったよ、どーどーケンちゃん。落ち着いて。私もケンちゃんは好きだけど、ドキドキの好きじゃないんだよね…お兄ちゃんたちと同レベ」
「ごめんな」
「いいって、大丈夫。電話じゃなくてここまで車を走らせて来てくれたケンちゃんの気持ちはよく分かったから」
暑い玄関で、でれっとした格好の私はまだしも、ケンちゃんは顔に汗が光る。
「ちょっと待ってね」
私は冷蔵庫に走ると、冷やしてあったスポーツドリンクを手にしてケンちゃんに渡す。
「はい、運転気をつけて帰ってね」
ケンちゃんはありがとうとごめんを何度も言いながら帰って行った。
「藤司、ごめんね。外だったでしょ?」
“いいよ。和花の気持ちが嬉しかったし”
「それなら良かった…あっつ…玄関暑かった…シャワーする」
“出掛ける用意しておいて。車で迎えに行く”
「どこ?」
“考えながら運転する”
「オッケ〜じゃあ、あとで」
“………………”
「おーい、とーじ?」
“俺も運転して行くけど…?”
「うん…うん?あ?………運転気をつけて来てね?」
“サンキュ、あとでな”
切れた……なんだ?今のはモチを妬いた…の?
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